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「デジタルネイティブを超える世代とは」CA Tech Kids上野社長が考える、小学生がプログラミングを学ぶ意味

小学校でのプログラミング必修化が決まる前の2013年から、小学生向けプログラミング教育事業を行っている株式会社CA Tech Kids(サイバーエージェントグループ)。
 
CATechKidsロゴ
 
代表取締役社長の上野朝大(ともひろ)さんは自社の経営を行うだけでなく、文部科学省の「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」委員なども務め、プログラミング教育の普及に努めている人物だ。
 
上野朝大
 
今回、そんな上野社長に鎌倉駅前プログラミング教室 for Kidsを運営している立場を利用して(?)、プログラミング教育について他の媒体ではなかなか聞いていない具体的なところまで聞いてきた。
 
小さな頃からインターネットやパソコンがある環境で育ち、それらに何らの抵抗感がない世代を「デジタルネイティブ」というが
 
上野社長は、「デジタルネイティブは全然すごくないと思っています。結局与えられた電子機器を使って消費してるだけ。作られたもので遊んでいるだけなんです。受け身なスタンスで動画を見たりゲームをプレイしているだけ。」と言います。
 
そんな上野社長にデジタルネイティブを超える世代とは、そして小学校の頃からプログラミングを学ぶ意義をお伺いしてきました。
 
 
プログラマーを目指すのでなければプログラミングを習う必要はない!?

 

テックキッズスクール生徒

提供:株式会社CA Tech Kids


 
鎌倉新聞
ついに来年度の2020年度から小学校でもプログラミングが必修になります。何でその前から皆プログラミングを学び始めているんでしょうか?
 
将来プログラマーになる、もしくは世界で通用する人材を目指すのでなければ必要ないのでは、とよく言われるのですが・・・
 
上野社長
結構これは難しい質問で、万人が納得する目的とか万人が納得する教育とかってないと思うんです。
 
その目的があるから手段があり、そのセットがたくさんあって何を選ぶか。
 
プログラミング教育も、プログラミング教育という手法は一緒でも目的設定は教育者によって異なりますね。
 
「ウチはとにかくロジカルな子どもを育てるんだ」という教室や企業もあれば、「ウチはプログラミングを突き詰めて、子どもの頃からコードを書かせるんだ」というところもある。
 
どれも間違いではなく、何を目指してるか。
 
目的・目標に間違いなんてないじゃないですか。
 
だから何を目指すか、それの選択でしかないかなと。
 
鎌倉新聞
確かにその通りですね・・・!
 
上野社長
そういう大前提のもとCA Tech Kidsとしては何を目指しているのかというと、我々が思っているのはテクノロジーを使いこなすということがすごく大事だということです。
 
というのは約10年前くらいからデジタルネイティブという言葉が出てきて、意味としては小さな頃からインターネットやパソコンがある環境で育ち、それらに何らの抵抗感がない世代という意味ですよね。
 
例えて言うと物心つく前からタブレットを使ってYouTubeでアニメを見ている、みたいな。
 
そういう世代をデジタルネイティブだ、すごいなと言われるのですが、私は全然すごくないと思ってまして。
 
というのは結局、与えられた電子機器を使って消費してるだけというか。
 
動画を見るとかゲームをプレイするっていうのはあくまで受け身なスタンスですよね。
 
作られたもので遊んでいるだけなので、消費するだけで終わってしまう。
 
そうではなくて、テクノロジーを活用して自分から何かを生み出していくことにより、課題を解決できたり自らのアイデアを形にできるようになる
 
典型的なのはiPhoneアプリで分かりやすい例があります。
 
「お母さんを助けたい!」と思って、家にある食材を選択すると作れる料理が提案されるアプリや、家で作った料理を記録して同じ料理が続かないようにするアプリなどを作った子たちがいます。
 
しかも、それをAppStoreというプラットフォーム上で世界中の人に向けて直ちに発信することができる。
 
ですからテクノロジーの手段というのはすごくレバレッジが効く手段なんです。
 
子どもが子どもであることのビハインドを無しにしてくれるような手段。
 
RPGに例えるなら、テクノロジーという手段が強力な武器で、その武器を使いこなせれば魔王も倒せて冒険がはかどるということですよね。
 
なので強い武器があれば冒険がはかどる、人生がはかどるよ、とイメージを持ってもらえれば。
 
「グローバル人材を目指す」というのは、その人生という冒険の中で海外に行きたいかそうでないのかという話でしかないと思っているんです。
 
鎌倉新聞
テックキッズスクールの「テクノロジーを武器として、自らのアイデアを実現し、社会に能動的に働きかける人へ」というビジョンは、そういう意味だったんですね!
 
テックキッズスクール

テックキッズスクールのHPより


 
正直、字だけ見て「テクノロジーを武器とする」って普通じゃん、と思ってました(笑)
 
上野社長
素手で戦うより剣持って戦った方が強い。つまり、テクノロジーというのは個人の能力を拡張してくれるもの。
 
それは子どもであっても大人であっても等しくその恩恵に預かれるもので、それができれば人生がはかどる、つまりやりたいことができたり困っていることが解決できたりします
 
だからそのために小学生の子たちが楽しく学べればと思っています。
 
デジタルネイティブを超える世代、それが「テックキッズ」
 
テックキッズスクール生徒2

提供:株式会社CA Tech Kids


鎌倉新聞
小学生が楽しくプログラミングを学んだ先に、どういう未来が待っているんでしょうか?
 
例えば、テックキッズスクールを卒業された子たちがどういう道を歩んでいるのかな、と。
 
上野社長
それこそ、先ほど仰っていた「将来プログラマーになるわけではないから習わせても意味がないんじゃない?」っていう話と通ずるのですが、当スクールに通っている子ども達はプログラマーになりたいとかゲームクリエイターになりたいという子は3~4割ぐらいで、それ以外の子はそれぞれ将来の夢を持っているんですね。
 
もちろん持ってない子もいますけど。
 
つまり6~7割はプログラミングとは関係ない職業になりたいと。
 
お花屋さんとか、お菓子屋さん、象使い、宇宙飛行士、お医者さん、文学者、スポーツ選手のトレーナーとか。
 
すごいなと思うのは、プログラマーと関係ない職業にもかかわらず、その職業においてプログラミングを活かすつもりなんですね。
 
テックキッズスクールを卒業して現在中3になる子で「宇宙で活躍できるお医者さんになりたい」という目標を持っている子がいます。
 
その子は直接的には自分の仕事にプログラミングを活かそうとは思っていないようなのですが、自分のおじいちゃんが老眼などで文字が見え難くなってしまったときに、
 
新聞を読むのが日課のおじいちゃんのために、おじいちゃんでも見えるような文字のニュースサイトを自分で作ったんです。
 
このような子ども達のことをデジタルネイティブの次の世代、それを我々はテックキッズと呼んでいます。
 
多分我々が会ったことのない人類なんですよね(笑)
 
鎌倉新聞
「テックキッズ」はパワーワードですね・・・!
 
CA Tech Kidsの目指すところ
 
上野社長
なので、CA Tech Kidsのビジョンは「世界中の子どもたちをテックキッズにする。」というものなんです。
 
つまり、ただ電子機器で遊んでいるということではなくて自分の手足のようにテクノロジーを使いこなして、何事かを成し遂げていける子どもたち
 
そういう子を世界中に増やしていこうと。
 
子どもたちをテックキッズに育てる、このことが会社を立ち上げて6年間でようやく形になってきました。
 
私個人としてもこのテーマ自体に今すごくやりがい、生きがいを感じてまして。
 
極端な話をすると人類の進歩だと思うんですよね。
 
小さい頃からテクノロジーを使いこなせるようになるというのは人類のレベルアップだと思っているものですから。
 
人類のレベルアップに与するなんてなかなかできないじゃないですか。
 
自分としては生きてて意味があったな、と思う人生にしたいですし、仕事人生としてはそこに捧げるべきだなと思っています。
 
上野朝大2
 
株式会社CA Tech Kids
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町40番1号 Abema Towers
URL: https://techkidsschool.jp/company/
 
鎌倉駅前プログラミング教室 for Kids 御成教室
〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町11-37 小林ビル1F
URL: https://www.kamakura-programming4kids.com/

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