ただの散歩ではない「パトロール」とは。コミュニティビルダー・柴田大輔に聞く街の歩き方 2018.8.20
鎌倉へ4年前に移住して友達をたくさん作り、Tinys Yokohama Hinodechoのコミュニティビルダーとして、トークショーやワークショップを盛り上げているコミュニティビルダー・柴田大輔さん、通称「大ちゃん」。
そんな柴田大輔さんにお話を伺い、前編・後編に分けてお送りしています。
前編記事はこちら
前編では「鎌倉で友達がたくさんできた秘訣」や「コミュニティビルダーってどういう仕事?」
という内容をお伺いしました。
後編では柴田さんがいつも行っている「パトロール」をすることによって街をより面白く見る方法からお伺いしようと思います。
街を”パトロール”するって?

「パトロール」の投稿
鎌倉新聞
大ちゃんのFacebookやInstagramを見ていると、よく各地で「パトロール」に行ってるじゃないですか?
「パトロール」でどういうことを行っているかお伺いしてもいいですか?
柴田さん
パトロールとただの散歩や旅行との違いは、主体的に街を観て自分ゴト化している状態がパトロールなんです。
一般的な旅行は例えば鎌倉に行ってパンケーキ美味しいな、紫陽花が綺麗だなーで終わっちゃったりしますよね。
そうではなく、自分の軸を持って新しい発見にたどり着いたり、友人や知り合いをたどってその街で暮らしている人と話したり飲んだり、銭湯で裸の付き合いをしたり(笑)

鎌倉新聞
わろた
柴田さん
自分の軸っていうのは僕だったら映画と銭湯。
なので、自分にとって初めての街に行くときは映画館と銭湯があるか調べて、近かったら行く。2時間空いてたら映画見る、ということを行っています。
そして銭湯で話しかけてその街でおすすめの呑み屋を聞いたり、ローカルな情報を大切にします。
面白いのは、最近はパトロール先での出会いも多くなってきて、人を繋いでくれるんですよ。それで仕事になるケースもある。
「うちでイベントやらないですか?」とか。
あとは癖なんですけど、どこかに行くと待ち合わせの30分前くらいに着いて歩いています。そして「この街はどんなところで、どこでWi-fiが使えて仕事が出来そうか」と探す。
自分の軸として、ノマドワークがしやすくかつ店の人とコミュニケーションが取れるカフェというのも1つのポイントなんです。
鎌倉新聞
なんかこう、読者の方が大ちゃんのように「パトロール」をできるように、なにかフレームワークってあったりしますか?
柴田さん
例えば、本当になんとなく入ったカフェで話しかけることかな?まずは。「初めてきたんですけど何が美味しいですか?」とか。
感じ悪いところはおすすめなんてない、とか言われますけど。だけど聞きますね、結構。質問すると返ってくるから。
鎌倉新聞
確かにおすすめは?って聞くとたまに「おすすめなんてない」って言われますよね(笑)
自分は「一番人気のメニューはなんですか?」とか、「ここの店の通の人が頼むメニューはなんですか?」と聞くようにしてます。
話逸れましたが、「パトロール」を行う際のフレームワークに話を戻すと・・・
柴田さん
やっぱコミュニケーションを取るってことと、好きなことを自覚する、もしくはそれを探すって事じゃないですかね。
そうすると結構出会えるから楽しいですよ。知らない街を知れるっていう楽しみがある。だから旅行より楽しいです。
散歩や旅行など、日常の近くを息抜きで過ごすのもいいんですけどそれ以上に街を俯瞰して見る、コミュニケーション取ってみる、質問してみる、とか好きなものを捜してみるってことをやってみると、知らない街でも面白くなると思います。
鎌倉新聞
なるほどー!主体的に街を観て自分ゴト化する、つまり自分の好きなことや好きな店・料理というフィルターを通して街を歩いたりコミュニケーションを取ったりすることで、より深く自分の知らない街を楽しめるってことですね・・・!
大ちゃんが新たに訪れる街で「このお店良いな〜」と思うお店はどんなところですか??
柴田さん
リノベーションされているところは気になりますね。建物の歴史や雰囲気を残しつつ、新たな空間を創り上げているところが好きです。
あとはコミュニケーションが取れるところ。お高くとまったところは行かないです(笑)
あとは電源が有るところですね。昼間はPCで仕事をすることも多いので。

どこに行けば大ちゃんと出会えるか
鎌倉新聞
大ちゃん、普段鎌倉ではどんなところにいますか?
柴田さん
鎌倉では月曜日の隔週になっちゃんですけど、今も鎌倉美学で働いています。
あとは普段、昼間はHOUSE YUIGAHAMAでPC開いて仕事していることが多いですね。
鎌倉新聞
由比ヶ浜通りにある、エンジョイワークスさんが運営しているカフェですよね。
柴田さん
そうですそうです。
あとは平日の昼間っからお酒飲んでることも結構ありますね(笑)
鎌倉新聞
まじっすか(笑)
柴田さん
この前の月曜日なんかは午前中、HOUSE YUIGAHAMAで2~3時間仕事して、そのまま山形の郷土料理と蕎麦の店である「ふくや」に行って1時間くらい飲んで、昼寝して鎌倉美学に行きました(笑)
最高に幸せですね。
この間もたまたま土日月って休みがあって、土曜は結局企画書作ったり仕事したんですけど日曜も午前中は仕事して、ふくやに行ったんですよ。
でまた2時間くらい飲んで、昼寝して、3時間仕事して、またふくやに行きました。ふくや2回行ったんですけど、あれ良かったですね。土日日月みたいな。1回寝てるから、それで仕事してまた酒飲んで最高に楽しいなこれと思って。
時間は一緒だけど、気持ち的に日曜に2回来たーみたいな。
鎌倉新聞
得してますね(笑)
他に鎌倉でよく行くお店はありますか??
柴田さん
あ、それでいうと鎌倉のゴールデンコースがあるんですよ。
まず17時にBarchie’s Kamakuraに行って、スペアリブと合鴨のスモークを食べながらクラフトビールを飲む、ということを楽しみます。
そして19時にふくやに行き、つまみと日本酒を楽しむ。そして締めに蕎麦を食べる。
次に22時にTHE BANKに行き、ウイスキーを2杯ほど頂く。
最後に0時前くらいに鎌倉美学に行き、その日の気分で最後に1杯飲む、というのがゴールデンコースです。
鎌倉新聞
結構ハードモードですね(笑)
でも素敵なお店ばかりだ・・・!

大ちゃんのこれから
鎌倉新聞
そろそろインタビューも最後の方に差しかかかってきたんですが、今の仕事のどういうところがモチベーションになってますか??
柴田さん
コミュニティビルダーに関していうと、やっぱり自分が1年間やってきたから見える世界というか、それで本当に多くの人と繋がったので、それで超重要なことをやったんだなって思います。
あとはこの仕事が単純に好きなんでしょうね。人が好きだからってのもそうだし、この仕事をきちんとやることが未来、もしかしたら子供の為になるかもしれないし。
そして何より生き残れるからやる。生き残れるからやるっていうのは結構モチベーションですね。やっぱりドMなんでしょうね。逆境がやっぱり好き。になっちゃった。
元から好きなのかもしれないけど、昔はもっと逃げてた気がして、それを超えてくのが楽しくなりましたね。例えば集客ができない時はやっぱり焦るし。
鎌倉新聞
確か、以前に初めてその時にFacebookのMessengerで営業かけまくったって仰ってましたよね。
柴田さん
あーありましたね。シェフという映画の上映会を行ったんですが、映画の上映会は初めてだったのもあるし、単価も高かったし、、あの時だけですね。メッセージ送ったの。あれは大変でした。
鎌倉新聞
やっぱり危機感があると結構動ける?
柴田さん
動けますね。でも危機感は常にあるんです。無い時が無い。
鎌倉新聞
だからこそのドM?
柴田さん
だからこそのドM(笑)ドMの方が楽に生きれるなーっていうのはありますね
鎌倉新聞
前編でもお話されていましたが、主体的に自ら課題を発見するところとリンクしますね。
柴田さん
そうですね、確実にそこは意識しています。
鎌倉新聞
そしていよいよ最後の質問になるんですが、大ちゃんは今後どういうことを行っていきたいですか??
柴田さん
やりたいことが3つあるんですよ。
鎌倉新聞
3つも?(笑)
柴田さん
映画館と銭湯とBarをやりたいんですよ。複合施設にはしたくないなーとは思ってるんですけど。3つ用途違うから。この3つを単純に作りたいからこういう色んな事をめっちゃ頑張ってるんですよね。
だから映画のイベントもやるし銭湯のイベントもやるし、鎌倉美学でも働いてるんですよね。場所が好きなんですよね。あとそこに集まる人が好き。
今は空き地や空き家が増えてきてて、そこの場作り活用の方で仕事いただいてるんで、結果やりたいことに繋がっていくんだろうなっていうのはありますね。
鎌倉新聞
確かにめちゃめちゃ繋がってますね。
柴田さん
それこそ映画館やらない?ってオファーきても出来ちゃうんじゃないかなって思います。
このままちゃんと実績を作っていってね。その上でコミュニケーションとかコミュニティは欠かせないですね。
鎌倉新聞
そこって箱を作って終わりじゃないでもすもんね。むしろ、そこからが始まりというか。
柴田さん
そうなんです。僕デベロッパーじゃないんで、ハード屋じゃないから。どちらかと言うとソフト屋の人間だからソフト作れる人はこれから価値になっていくと思います。
コミュニティビルダーもそうだし。理解されにくい職種だとは思うけど。
鎌倉新聞
そうなんですか??
柴田さん
よく、「コミュニティビルダーってなんなの?」って聞かれます。
※編集部注:コミュニティビルダー=「ヒト・コトをコミュニケーションで繋ぎ、主体的にコトを増やす存在」
鎌倉新聞
映画館と銭湯とBarでコミュニティが形成されていったらより楽しくなりますね・・・!
柴田さん
そうなんです。
そして映画館と銭湯とBarはそれぞれ35歳、45歳、55歳で創る、というのを計画してるんです。
鎌倉新聞
映画館はあと5年後っすね・・・!
柴田さん
ね、あと5年しかないですね、どうしましょうね。
鎌倉新聞
キャッシュ的にはBarは1番始めやすそうですけど、なんで映画館からなんですか?
柴田さん
一番難しそうなところからやっていかないと、その難しいことが難しいままで終わっちゃいそうだから。
あとBarはね、しっぽりやりたい。
10人くらいしか入れないところでやりたいんです。
自分、パース書けるんですけど、やりたいBarのパースがもう思い浮かんでます。
映画館も銭湯もどこに行ってもフムフムと思いながらね、見てますよ。この導線良くないなーとか。常に勉強です。
鎌倉新聞
仕事も街のパトロールも、将来やりたいことも全てが繋がってますね。
柴田さん
パトロールしてる時も考えてますね。ボーっとしてる時がないです。常に頭を何かしらで高速回転させてると思うんですよね。
鎌倉新聞
そっちの方が楽しいですよね、なんかあー紫陽花が綺麗だなとかじゃなくてね。
柴田さん
想像以上に色んなこと思ってるでしょ?
鎌倉新聞
うん、大ちゃんとは真面目な話をしたのが初めてなのでびっくりしてます(笑)

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