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「口元は絶対に嘘つかない」人が本当に美味しいと思うときの見分け方を「鎌倉Dining 由比っと」の横浜シェフに聞いてきた

由比っと_正面
 
生産者さんと共同作業でお店を創っている、由比ガ浜通りの六地蔵前にお店を構える鎌倉Dining 由比っと。
 
そんな由比っとのオーナーシェフである横浜大輔さんにお話を伺い、
 
前編・後編に分けてお送りしています。
 

前編記事はこちら

 
前編では「由比っと」と名付けた背景や
 
由比っとをオープンしたきっかけを伺いました。
 
後編では一番人気メニューで、あの某ブンブブーンという番組でジャニーズのトップアイドルを「今まで食べたナポリタンで一番ウマイ」と言わしめたのが『神のナポリタン』のお話、それから人が本当に美味しいと思うときの見分け方を聞いてきました。
 
『神のナポリタン』て何が神なの?
 
鎌倉新聞
『神のナポリタン』っていうネーミングですが、自分で「神」って言うのは相当覚悟が要りますよね!?笑
 
横浜さん
まあね。笑
 
といっても、別に俺が神じゃないんだけどね。笑
 
神なのは井出トマト農園の井出さんと、そのトマトから作られたケチャップ
 
井出トマト農園_ケチャップ
 
鎌倉新聞
またまた〜謙遜しますね!笑
 
横浜さん
ほんとほんと!笑
 
井出さんグルメな人なんだよ。すげえ舌がいいんだ。生産者の人なんだけどすげえ味わかる人で。
 
鎌倉新聞
生産者の人だからといってグルメじゃあ、、
 
横浜さん
全然、グルメとは限んない。
 
そりゃ自分で作ってるものに関しては違いはわかるだろうけどね。
 
井出さんは食全般に対して舌が良いんだ。一緒に飯食いに行くと分かるんだけど、美味しいものがわかる人。
 
そしてうちでは必ず神のナポリタン食べるから、気が抜けない(笑)
 
そして井出さんは経営者としても優秀。経営方針とかも一度聞いてみてほしい。
 
農家じゃないからね、全然農家じゃない。考え方が凄い。でも農家なんだよ。トマトマニアなんだよ。凄いよ井出さんは。非常に先進的な考え方をしている。
 
しかも、日本ではお目にかかれない設備も井出さんところにはあるから。だから全国から研修に来るの、同業者が
 
鎌倉新聞
へ〜〜!ますます井出さんのお話聞いてみたくなりました・・・!
 
まずはトマト狩り行ってみようかな・・・!
 
 
横浜さん
はい、おまたせ〜
 
神のナポリタン
 
鎌倉新聞
いっただきまーす!
 
これ本当に間違いなく今まで食べたナポリタンの中で一番美味しいですね(笑)
 
どうやって作ったらこんなに美味しくなるんですか?笑
 
横浜さん
何にも無いよ。
 
吉野さん
シェフは基本的に全部なんとなく。
 
横浜さん
そう俺なんとなくなんだよ、理屈とか無いんだよね。感性かな、思った感じで作る、、
 
吉野さん
だからメンタルで違う料理になったりする(笑)
 
鎌倉新聞
料理にメンタルが現れる(笑)
 
横浜さん
いけない事なんだよ、プロとしては最悪な事なんだよ。メンタルに左右されるなんて。
 
でもね、一つだけ守っていることは、食材をもらうって事はその人の顔を預かってるようなもんだからね。
 
それだけはずっと守り続けてる。それだけは本当に。
 
例えば親父を結構紹介したんだけど、やっぱりうまくいかなくなるよね途中で。
 
鎌倉新聞
というのは?
 
横浜さん
例えば仕入元の欲しい時に欲しいものが無かったりするんだけど、それは季節によって在庫が左右されるから誤解を恐れずに言うと仕方ないこと。
 
あとは「ある野菜をこれだけの量をください」って言われても無いんだよね。農家だから。八百屋さんじゃないからね。
 
生産者さんも看板背負ってるから。変なもん出せないじゃん。
 
なので今はそういう農家のことを分かっているレストランにしか送ってない。
 
野菜のことはもちろん、農家さんのビジネスのことまで分かってないと、良い農家さんと上手く付き合えない。
 
俺はさ全員に会いに行ってるから。話してるし、ちゃんと人と人との繋がりを持ってからお付き合いしてるから。
 
だから遊びにも行くし、飯食いにも行くし、何でも言い合える。
 
本当に生産者さんのことが分かってないと、素材の良さを殺したりしてしまう
 
例えば、「これ本当にみやじ豚?」っていうのとか結構あるみたい。
 
鎌倉新聞
え、まじですか?この前みやじ豚のステーキを食べて、これまた「今まで食べた豚肉の中で一番美味い・・・!」って感じましたけど・・・!
 
横浜さん
火を入れすぎちゃったりとかさ。せっかく宮治さんが手をかけて育てたみやじ豚を使ってるんだけど、、
 
だから宮治さんが今悩んでるのが、店によってお客さんからのみやじ豚の評価が違うって。
 
みやじ豚が美味しくないとか美味しいとか極端なの。それは作り手次第。
 
鎌倉新聞
生産者さんが卸す店を選ばなきゃいけない時代なんですね・・・!
 
横浜さん
でもわかんねえじゃん。仲買人さんとか通しちゃうとなおさら。
 
つまり、料理人があんまりよろしくなかったら生産者さんの顔を潰すことになっちゃう。
 
だから、地産地消ってメニューで謳ってるけど「本当その重みわかってる?」って。
 
名前借りるのはいいけど、それ美味くなかったらその人の顔潰すんだよってこと。
 
鎌倉新聞
本当にそうですね。
 
横浜さん
うちは生産者さんのみんなの看板背負っちゃってるからさ。しかも全員顔も名前も出してもらってるし。
 
本当に評判落とすようなこと出来ないじゃんよ。『神のナポリタンまずい』なんて言われたらもう・・・
 
鎌倉新聞
まずいですね・・・
 
横浜さん
なんだよ井出トマト農園で作られているトマト大したことねえじゃんてなってさ、それがツイッターとかで流されちゃったらさ、井出さんの顔見たらすげえ悲しい思いするじゃん。なんか渡さなきゃ良かったとか思うじゃん。そう思われないためにこっちは必死さ。
 
井出トマト農園のトマト
 
特製デミグラスソースのやわらかハンバーグ
 
横浜さん
今まで散々、神のナポリタンについて話してきたけど、でも俺が本当に得意なのナポリタンじゃないんだ。
 
鎌倉新聞
えっ(笑)
 
横浜さん
うちで常連さんになると、ハンバーグを頼む人が多い。俺がフレンチ出身っていうことを知るから。
 
まず最初に神のナポリタンを食べていただいて、その次に来たときにハンバーグを頼む流れ。
 
吉野さん
フレッシュミート協和さんのお肉ももちろんなんですが、シェフの作るソースも秘訣なんです。
 
横浜さん
そう、ソースを使るの得意。それでもやっぱさ、フレンチにこだわりすぎるさ井出さんのケチャップなんて使えねえしさ、その素材を1番生かせる料理をやりたいじゃん。
 
鎌倉新聞
そうですよね
 
横浜さん
だからフレンチだけやってもダメ。素材を生かしきれないんだよねフレンチだけやっても。
 
鎌倉新聞
そうなると、フレッシュミート協和さんのお肉という素材を活かすソースを作るのって難しいですよね??
 
横浜さん
難しい。ソースは全部自分たちで骨から作ってる
 
ホテル時代からそれはずっと変えていなくて。それ辞めちゃったら俺コック辞めてるのと一緒だから。
 
それは辞めらんないよ。フォンドボーだけは辞めらんない。それ辞めたら本当フレンチ捨てたことになっちゃうから。
 
由比っと_ハンバーグ
 
鎌倉新聞
あ、、めっちゃうまい。これうまい。本当に「あ、今まで食べたハンバーグと違う」ってなる。
 
横浜さん
違うでしょ?うちは一切既製品を入れてないんだ。
 
結構、缶のケチャップを使ってしまっているところが多い。だいたい流通・販売量世界第1位のメーカーのもので作ってしまっている。
 
あとは化学調味料が入ってないから胃もたれしない。
 
鎌倉新聞
具体的には、デミグラスソースをどうやって作られてるんですか??
 
横浜さん
まずフォンドボーっていうんだけど。骨とガラで2日間炊きっぱなしにする。これがフレンチのソースのベース。
 
あと野菜とか入れるんだけど。ずっとボコボコボコボコ。ちなみに骨は牛の脊髄。
 
そこから更にまた鶏のガラを足して、うちは井出トマト農園のケチャップ入れて、自分で作った粉とバター焦がして作ったルー入れて、野菜入れて、お酒入れて、そこから更に2日かけて作る。
 
鎌倉新聞
さらに2日・・・!
 
横浜さん
自然なとろみになるよね。例えば元が水10Lあるじゃん。デミにするとなると4Lくらいしかない。4L取れれば良い方。
 
鎌倉新聞
あの、、、なんか食べて幸せを感じます(笑)
 
横浜さん
あ、それでいうとうち経営理念作ってあるの。
 
鎌倉新聞
どんな理念ですか・・・?
 
横浜さん
うちは、「食を通してお客様を健康にする」っていうのが理念。
 
健康って言うのは食材に気を使うだけじゃなくて、笑うことじゃん健康って。
 
美味しいものを食べると人って口角が絶対上がるの。どんなに難しい人でも美味いと思ったらピクって絶対上がる。
 
鎌倉新聞
そこまで観察して見たことない・・・!
 
横浜さん
そうするとこっちの勝ちと思う(笑)
 
美味しいものを食べて、美味しいお酒飲んで笑うと1番健康じゃん。うちは、その皆を健康で幸せにするっていう理念があるんだ。
 
鎌倉新聞
横浜さんたまに良いこと言いますね!←
 
横浜さん
料理作ってると目の前で食べてくれるから、俺いつも口元見るの。
 
ホテルのカウンターキッチンで作ってる頃から、本当に美味いって言ってるかってわかんないでしょ?まずいって言わないでしょ、まずくても(笑)
 
鎌倉新聞
よっぽどじゃないとね・・・
 
横浜さん
こんな目の前にさ、や◯ざみたいなコックがいてさ不味いって言えないでしょ(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
横浜大輔3
 
 
 
 
 
 
 
 
鎌倉新聞
うん、間違いないっすね(笑)
 
横浜さん
ホテルの料理長だったからなおさらね。でも絶対に口元は嘘つかないの。食べた瞬間、それを見てる。
 
鎌倉新聞
へーちょっと今度から注目して見てみよう・・・!
 
鎌倉新聞フォトグラファー
カメラマンからの観点ですが、撮られる人は表情って作れるじゃないですか。でも手の表情っていうのは作れないから、手をしまっているか出しているかなどでこの人緊張してるんだな、とかがわかる。
 
顔って見られてると思うから作る人もいるけど。手は結構見逃しがちかな。
 
鎌倉新聞
職業によって見るところが違って面白い。
 
横浜さん
口角を見るのは最初の一口目じゃないとだめ。ファーストインプレッションっていうか。二口目からだと嘘つけるからね。
 
例えば常連さんはグルメな人ばっかだから、ドキドキするわけよ。美味しいですか?とも聞けないしさ。
 
自信ないのかって思われちゃうからね。ドキドキするんだけど、提供して口元を見て、口角が少し上がる感じになると「あーよかった・・・!」ってなる。
 
横浜大輔1
 
熟成チキンのジューシーステーキ
 
ドライエイジングの機械
 
横浜さん
これはドライエイジング、強制的に熟成の環境を作り出す機械。湿度80%以上、温度0℃~5℃、風が滞留して、全部設定して作り上げる機械なんだよね。
 
日本ではやっと最近流行りだして、ニューヨークでは5年、もっと前か。8年くらい前にニューヨーク行ってドライエイジング知って、日本帰ってきて探したけど無くて。
 
やっとうちがお肉を仕入れているフレッシュミート協和さんが本格的にドライエイジングを作り始めて、そこのお肉屋さんの機械が特別だから1週間でドライエイジングビーフが出来ちゃうの。1ヶ月かからず。
 
鎌倉新聞
おおお・・・!
 
横浜さん
このドライエイジングを作る設備を導入して、熟成チキンのジューシーステーキを作りることができた。鶏肉はドライにすると結構乾くんだ。
 
本来であれば乾くと中までガチガチになって食べるとこ無くなってくるの。牛とかは削るんだけど、鶏は無くなっちゃうから。鶏も3日でドライエイジングかかるの。だから中が硬くなる前に熟成が入るから鶏の熟成が出来る。
 
これが「湘南しらなみ熟成」っていうんだ。
 
湘南しらなみ熟成
 
鎌倉新聞
すごいですね、通常であればビーフだと1ヶ月くらいかかりますもんね。
 
横浜さん
うん。それをフレッシュミート協和さんがこの機械導入して作ったら、1週間かかんないくらいで出来ちゃう。
 
通常、本来であれば表面をコーティングしないんだけどフレッシュミート協和さんの場合はあんまり周りカピカピにならないように、オリジナルで配合した粉があって、それで白くコーティングするの。
 
それでドライエイジングかけるから、回りもカピカピにならないし食べられるところが多く残る。
 
表面を真っ白にコーティングするから、白波ってイメージ。
 
鎌倉新聞
なるほど・・・!
 
熟成チキンのジューシーステーキ
 
この熟成チキンのジューシーステーキも、ものすごく美味しいんですが、ドライエイジングをすると何で美味しくなるんですかね・・・?
 
横浜さん
ドライエイジングって要は赤身の牛、赤身の多い牛ほど美味しくなるんだ。
 
和牛とかだと脂が多すぎて、脂は熟成かからなくて酸化するだけなんだ。
 
和牛にドライエイジングかけても美味しくならないんだよね。日本ではドライエイジングがそんなに普及してないから、和牛とかでやりがちなんだけど。
 
オーストリアとかUSの赤身の多い肉で熟成かけると、赤身の部分が凄い美味くなる。肉の酸味と香ばしさが増すの。
 
鎌倉新聞
流行りに乗ってなんでもかんでもドライエイジングすればいいってわけじゃないんですね・・・!
 
由比っとのこれから
 
鎌倉新聞
もう取材が最後の方に近づいているんですが、横浜さんが働いててどういうことに喜びを感じるのかなと。
 
横浜さん
喜び?
 
鎌倉新聞
はい、モチベーションだったりとか嬉しいことみたいな。
 
横浜さん
もちろん、美味しいって言ってもらったら嬉しいし、あとは共感出来た時かな、お客さんと。
 
うちの生産者さんの食材気に入ってくれて、これすごい美味しいねっていうところからその生産者さんの話しをできるときが良いよね。
 
なのでもっと鎌倉の人を呼びたい。もっと本物を食べて欲しい。本当に美味いものを。
 
そして、生産者さんたちをもっと有名にしてもっと知られて欲しい。
 
鎌倉新聞
いやほんとに、一口目食べて本当に「あっこれ普通のと違う」って分かりますもんね。
 
横浜さん
うん。アンテナショップ的なこともしてるんだよね。その人たちのさ。
 
凄い美味しい、どこで買えるのって聞かれれば「ここに行けば買えますよ」って紹介するし、同業者にもこの生産者さんを紹介してくれませんかってなれば紹介するし。
 
生産者さんたちがいなきゃやってないよ店。優秀な生産者さんがいなかったらそこらへんのただのコックだもん。普通にそこそこ美味いもん出して、なんとなく店やってっていうそこらへんのただのコックになってしまう。
 
鎌倉新聞
そしたら別に自分で店やらなくていいですもんね。
 
横浜さん
そうなんですよ、特にそんなリスク犯す必要も無くね。
 
 
横浜さん吉野さん
 
 
鎌倉Dining 由比っと
〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-6-16
交通手段:
JR横須賀線 鎌倉駅 徒歩6分
江ノ島電鉄線 和田塚駅 徒歩2分
TEL:0467-37-9286
月~土
11:30~20:30
(L.O.20:00)
※15時~17時の間は閉店

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