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相手の気持ちへの”気づき”が高まる!?マインドフルネスについてZen2.0の代表に聞いてきた

Zen2.0_トップ画
 
国内初の禅とマインドフルネスの国際カンファレンスZen2.0
 
 
Zen2.0logo
 
9/8(土)、9/9(日)に鎌倉五山第一位の禅寺である建長寺、そして建長寺に隣接している鎌倉学園で行われる。
 

建長寺

[写真:iStock]


 
Zen2.0のCo-founderである三木康司さんは「9年くらい前にリストラされた時、YouTubeで”こころの落ち着く方法””瞑想”などのキーワードを入れて、検索していたんです。そこから座禅に出会いました。
 
座禅を続けるうちに吐く息と同時に心配事や不安が無くなっていきました。
 
それだけでなく、座禅という完全に自分の自分の中で閉じた世界で徹底的に自分と対話することで、新しい事業アイデアが生まれ、そこから会社を立ち上げることもできたんです」
 
もう1人、Zen2.0のCo-founderである宍戸幹央さんは「瞑想を続けていると自分を受容できるようになるんです。例えば、ボディスキャン瞑想法という方法で自分の肉体のパーツ1つ1つを感じるようになると感謝が出てきて、自分をだんだん受け入れられるようになりました。」
 
Zen2.0_2

左:三木康司さん 右:宍戸幹央さん


 
そんなお二人に、マインドフルネスや初のマインドフルネス国際カンファレンスであるZen2.0について聞いてきました。
 
■プロフィール
三木 康司:株式会社enmono 代表取締役/慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所研究員
宍戸 幹央:鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役/アンビショナーズ・ラボ 共同代表
 
Zen2.0が立ち上がったのは鎌倉駅前のワタミだった?!?
 
鎌倉新聞
自分がZen2.0を知ったのは、BUSINESS INSIDER JAPANの「シリコンバレーで広まる「ウェルビーイング」思想を僕が鎌倉で実践する理由」という記事だったんです。
 
宍戸さん
その記事を書かれている松島倫明さん(現WIRED日本版編集長)と三木さんと私含め4人で鎌倉駅前のワタミで飲んでいたんです(笑)
 
そのときに「Zen2.0をやろう」と盛り上がりました。
 
三木さん
カマコンで当時NHK出版の編集長だった松島さんと知り合ったんです。そして「マインドフル・ワーク」という本が出てそれを読んで、すごい面白かったんですよ。
 
マインドフル・ワーク
 
マインドフルな世界観が家庭生活、そしてビジネスも変えていくという話。
 
感銘を受けて、本の裏を見たら松島さんのクレジットが書いてあって「あれっ」と思った。
 
それですぐに松島さんに連絡して、鎌倉駅前のワタミでマインドフルネスを題材にした飲み会が開かれたんです。
 
鎌倉新聞
そもそも三木さんはなんで「マインドフル・ワーク」を読んでたんですか?
 
三木さん
9年くらい前にリストラされた時、YouTubeで”こころの落ち着く方法””瞑想”などのキーワードを入れて、検索していたんです。そのときにマインドフルネスに出会いました。そこから新しい事業アイデアが生まれ、そこから会社を立ち上げることもできたんです。
 
なので、その当時のFacebookに「人間の可能性を引き出す瞑想というものがある」って書いたんですけど、誰も反応してくれなかった(笑)
 
ビジネスのツールとしてものすごく有用なものがある。2500年前くらいに開発されたものなのになんで使わないんだ、って書いたら「なんか危ないんじゃないか」って思われたのか誰も反応がなかった(笑)
 
Zen2.0_昨年1

Zen2.0の昨年の様子※提供:一般社団法人Zen2.0


 
鎌倉新聞
9年前だと「マインドフルネス」って言葉もなかったですもんね・・・!
 
いつ頃なんでしょうね、マインドフルネスっていう言葉が日本で出始めたのは。
 
宍戸さん
2014か2015年くらいですよね、確か。一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(通称:MiLI)が立ち上がったのが2013年。
 
今回登壇いただく荻野淳也さんが立ち上げました。そこから少しずつ「マインドフルネス」という言葉が拡がっていった気がします。
 
三木さん
2009年くらいに「瞑想や禅がビジネスにも有用だ」とつぶやいても誰も反応してくれなかったですからね。。「三木さんリストラされてやばくなったんじゃないか」みたいな(笑)
 
でもちょうど先月、A.T.カーニー日本法人の会長である梅澤高明さん(編集部注:今回のZen2.0にも元陸上競技選手の為末大さんとのトークセッションが行われる)のインタビューに同行したんですけど、彼は30年瞑想をやってると言っていました。NIKKEI STYLEにその記事が出ています。
 
宍戸さん
座禅や瞑想をやってる人はやっていて、実は座禅研修が一番多かったのが1980年代とも言われているそうです。
 
30年前くらいは日本でも盛んだった。自分も最初に瞑想や意識の世界に興味を持ったのが高校生の時なんです。
 
鎌倉新聞
だいぶませた高校生ですね(笑)
 
宍戸さん
自分は体がもともと弱かったんです。入院したり喘息持ちで。
 
そんなときに中村天風さんの本に影響されたんです。
 
「たとえ身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。」という言葉とか。
 
中村天風さんはヨーガを日本に持ってきた第一人者で、多くの著名人から支持され、実業界では、例えば松下幸之助さんや稲盛和夫さんなどに影響を与えた方です。
 
三木さん
日露戦争の軍事探偵としてで活躍したあと、当時不治の病であった肺結核を発病し、治すために欧米を放浪し、最終的にヨガとか瞑想の世界にたどり着いたみたいです。
 
1980年代は、坐禅や瞑想が日本の企業でも取り入れているところも多かったみたいですが、1990年前半以降、あまり注目されなくなりました。
 
宍戸さん
その後、2010年頃から、海外では「マインドフルネス」という形でGoogleが研修に取り入れられているとか、シリコンバレーで流行っているということが話題になっていき、今のように日本でも注目されるようになってきました。
 
でもまだ5年前くらいは、日本ではマインドフルネスという言葉は認知されていなかったので、2013年に、清水ハン栄治さんというGoogleのマインドフルネスの先生でもあり、Zen2.0にも登壇していただける方とワークショップをやったんですが、マインドフルネスという言葉を使わずに「Happyブートキャンプ」というタイトルでやってました(笑)
 
Happyブートキャンプ
 
自分もその中で「ハピネスと物理学」というタイトルで講演もやってました。マインドフルネスっていう言葉は知らない人も多かったですからね。
 
鎌倉新聞
そんなお二人が鎌倉で出会って一緒にZen2.0を開催するのも必然な気がする・・・!
 
三木さん
それでいうと、ワタミでの飲み会の前に宍戸さんと偶然、1日にたくさん会う現象が起きてたんです。
 
朝、偶然家の前で犬の散歩してたら会って、昼に渋谷のカフェでたまたま会って、夜に鎌倉駅で会う、みたいな。
 
会うたびに飲もうかって言っていてちょうど良い機会だったので、松島さん含めて4人でマインドフルネスを題材にした飲み会を開いたんです。
 
宍戸さん
そのときに、もともマインドフル・シティ鎌倉の構想で盛り上がりましたよね。
 
鎌倉新聞
マインドフル・シティ鎌倉!?!?!?
 
宍戸さん
マインドフルネスや禅に惹かれて世界中から鎌倉に集まり、鎌倉全体がキャンパスになるような学び・体験の場です。
 
もともと、私自身、6年前から鎌倉を拠点にした時から、海と山に囲まれた自然豊かな鎌倉全体がキャンパスとした市民大学のような形で、日本の文化・和の精神の世界の学びの場とした”鎌倉大学”を作れたらと思って活動していたところがあったのですが、その話をしたところ、「マインドフルネス・シティ鎌倉」と名をつけて、マインドフルネスや禅に惹かれて世界中から鎌倉に集まるように皆で活動していこうと盛り上がったのです。
 
なのでいずれは、ZEN2.0の年1回のイベントではなく、常時、マインドフルネスや禅を学び・体験できる場を増やしていければと思っています。
 
三木さん
それで、ワタミでのマインドフルネスを題材にした飲み会のあと、カマコンでプレゼンをしました。
 
そしてカマコンでのプレゼンの後、縁あって建長寺さんをご紹介いただき、国内初のマインドフルネスのカンファレンスであるZen2.0の開催が決まったんです。
 
Zen2.0_3
 
マインドフルネスを取り入れて変化したこと
 
宍戸さん
もともと、「マインドフルネス」はティク・ナット・ハンという禅僧・平和活動家の方がベトナム戦争のときに平和活動で多用していた言葉なんです。
 
この頃から「マインドフルネス」という言葉が多用された。自分への気付きが生まれると、他者への気付きも生まれ、それが世界への気付きを広げていき戦争をなくしていくだろうという。
 
鎌倉新聞
三木さんが今年の6月に刊行した「禅的」対話で社員の意識を変えた トゥルー・イノベーション」でも「自分との対話が必要である」と仰ってますもんね。
 
三木さん著書
 
三木さん
自分の本で書いてあることとほとんど同じことを、この前のNIKKEI STYLEで出た記事でA.T.カーニー日本法人の会長である梅澤高明さんが仰っていたんです。
 
自分の中で見つめる作業を、相手に向けると相手の情報が入ってくる。毎日毎日トレーニングするんです。それを相手に向けると、相手の気持ちがわかるようになると言っていました。
 
宍戸さん
気づきが内と外で差がない。内を見ているんだけれども外も見ている。
 
普段、仕事では企業研修で学習する組織づくりを行っているんですが、気づきの幅をどこまで広げられるというところで、気づきというのは価値観の境界線を拡げることにある思っているんです。
 
そのためには内省と対話、内と他者との対話で初めて境界線が築けるという世界観を教育上にもつなげていきたいなと思っています。
 
ティク・ナット・ハンさんが言っている、「気づきを広げていく中で他者への受容性と自然への受容性がより拡張していく」ということを実践しています。
 
Zen2.0昨年2

Zen2.0の昨年の様子※提供:一般社団法人Zen2.0


 
鎌倉新聞
言い換えると、座禅や瞑想を続けると他者への想像力が磨かれるということですか?
 
三木さん
想像力というか、肉体の感覚として、入ってくるんです。例えば「こういう表情をしたから今こう思ってるんだな、とか」(笑)
 
ボディスキャン瞑想法というのがあるんですが、自分の体のパーツに感謝するんです。
 
まず目に感謝して、耳の中の内耳に感謝して、鼻の感覚に感謝したり、舌の味の感覚に感謝したりとか。
 
内蔵までスキャンするんです。一個一個味わいながら感謝していくと、自分が素晴らしいパーツから成り立っているという感謝が生まれてくるんです。
 
そこから自分に感謝できると他人に思いやりが産まれたりとか感謝できるように成ってくる。
 
それだけでなく、自分の内側をスキャンしてると、ちょっと目が動いただけで、「あ、この人こういう気持ちなんだ」って入ってくるんです(笑)
 
鎌倉新聞
想像を超えて相手のことを自分のように感じる・・・その境地にたどり着きたい・・・!
 
三木さん
梅澤さんも記事の中で「相手が何を求めているのか、何に不満を持っているのか、冷静に判断しながら効果的に商談を進められるようになった」と言っていました。
 
もちろん、ビジネス的なスキルだけでなくそういう体の感覚として入ってくるんです。
 
Zen2.0_4
 
自分を受容することができるようになる
 
宍戸さん
あとは自分を受容できるようになりますよね。
 
自分でいていいんだという存在に対する受容というか。
 
三木さん
自分を受け入れられない人が結構多いと思うんです。幼少期から親から否定され続けたりとか。
 
でも瞑想で自分の肉体を感じるようになると、あーこの肉体は愛おしい存在だな、と感謝が出てきて自分をだんだん受容できるようになってくる。
 
宍戸さん
本当の幸せって自分が自分でいていいんだ、自分のことを認められている状態だと思うんですよね。
 
鎌倉新聞
そこから自己肯定感も育まれると。
 
宍戸さん
自己肯定より自己受容だと思うんですよね。
 
自己肯定って自己否定も入ってるじゃないですか。肯定/否定の概念があるので。
 
良い悪いのジャッジが入っていて、外の基準に合わせて自分が存在していいんだってなるけど、自己受容の場合は肯定/否定の概念を超えた、存在に対する受容。
 
肯定/否定の外に基軸が正しい/正しくないの判断があると常に不安がつきまとうというか、上には上がいる、と気づく。
 
自分と向き合うとただ「自分にはこれが足りない」と突きつけられるんです。
 
学習できる存在であることの実証としての自己肯定/自己否定のジャッジをうまく利用するのは重要なんですけど、そこだけに依存してしまうのは脆いのかなと。
 
常に確認ていう作業が必要で、誰かから評価されていないと、ということになってしまう。過去のことを思い出したりしなきゃいけなかったりとか。
 
三木さん
評価されればもちろん嬉しいんだけど、それは2番くらいな感じですよね。
 
自分のあり方が全て感謝。こっちのほうが重要なわけです。
 
宍戸さん
あと結果に対する過去の自信とかって賞味期限ありますよね
 
達成したことに対する自信とか喜びっていうのは、必ず賞味期限が来てしまう。
 
目標を掲げてそれを達成することによって得られる喜びはある意味一瞬というか。
 
そこを求めれば常に変わり続けられる存在。変わるプロセス自体に喜びがあるというか。
 
子どもを見てても思うんですが、ちょっと高いところにジャンプして届くようになっただけでものすごく喜ぶじゃないですか。
 
そういう、自分という存在を知覚できる、常に拡がっていける。
 
自分はガンジーのことが言葉がすごく好きで、「明日死ぬかのように今日生きろ」「永遠に生きるかのように学べ」という、学ぶっていうプロセス、気づきを広げていくという行為の中に深い喜び、自分の存在に対する受容が生まれてくるんです。
 
Zen2.0_5
 
・・・
 
「マインドフルネス」はただ単に流行りの言葉と思っていたが、これほど深いものだとは思わなかった。
 
そして、「Zen2.0」はマインドフルネスの国際カンファレンスだけあってマインドフルネスに携わっている国内外を代表する方々が登壇され、ワークショップも開催される。
 
例えば、元陸上競技選手の為末大さんとA.T.カーニー日本法人の会長である梅澤高明さんの対談「ビジネス界・スポーツ界における禅・瞑想の可能性」や、「食べる瞑想」というワークショップも行われる。
 
これは「食べる」という行為をただ空腹を満たすための手段として捉えるのではなく、食べた物が自分の身となりエネルギーとなるプロセスを深く感じる実践とのこと。
 
また、他にもチョコレートを味わいが坐禅の前後で変わるのを体験するワークショップなどもあるとのことです。
 
チョコレート瞑想

Zen2.0昨年の様子※提供:一般社団法人Zen2.0


 
Zen2.0のチケットは残りわずかですが、Zen2.0のホームページから購入可能です。
 
 
 
Zen2.0
URL:https://zen20.jp/
日時:2018年9月8日(土)、9月8日(日)
会場:建長寺・鎌倉学園
住所:〒247-8525 神奈川県鎌倉市山ノ内8
アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅 徒歩15分
※詳細:https://zen20.jp/access/

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